B 成人の斜視
(1)間歇性外斜視
私共の研究によると時々外斜視になる方は小、中学校時代は寄る程度は余り変りませんが、40才以降になりますと急激に著しい外斜視となり、視線を合わすことが出来なくなります。小学生時代は自覚症状はありませんが、中学生になると本を読んだり、パソコンを使うと眼が疲れ易くなります。また文字がずれて2重に見えることがあります。手術で外斜視を治すと本を読んでも疲れなくなります。
いつも外斜視になっている場合は恒常性外斜視と言います。恒常性外斜視の自覚症状は軽度ですが、斜視が著しいため、整容上手術を受けられることをおすすめします。若い時に恒常性外斜視だった方が年をとって恒常性外斜視になることもあります。この場合は術後両眼機能が回復することがあります。
(2)麻痺性斜視
物が2重に見える状態を複視と言います。
ある日突然に2重に見えるようになるのは、眼の筋肉の一部の動きが悪くなっているためです(眼筋麻痺)。
眼筋麻痺の原因は様々です。頭の中の病気や、眼の筋肉の病気又は眼のまわりに出来た腫瘍により複視が生じますので精密な検査が必要です。全身疾患であるバセドウ氏病、糖尿病も複視の原因となります。
視線の方向によっては一つに見える場合は頭を傾けたり、首をひねったりして一つに見ようとします。この様に額を正面にむけずに物を見る人は首の筋肉の病気よりは眼筋麻痺が生じた可能性が高いので、眼科を受診することをおすすめします。
眼筋の麻痺が固定したら手術の対象となります。
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